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イヴォル。愛ヲ覗キ観ルコトナド。

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オリフィスには三つの種族が住んでいる
東の人間、北のエルフ、西の魔族
南には誰も住んでいない
東の国は砂漠の国、首都はメロウ、嘗ては他の二国と同じく森が広がっていたが、度重なる伐採の末今では僅かなオアシスが点々とするだけの不毛の大地となった
鉄鋼業が盛んで、武器や狩猟の道具がピンキリで売られている
北の国は深い森と美しい泉の国、首都はアリオス、エルフたちは賛歌と呪歌の二つの歌声を響かせ、時に森に平穏をもたらし時に外敵を阻んでいる
野生のユニコーンが多く生息している
綿織物が盛んで、多種多様な模様の衣装が売られている
西の国は深い森と広い湖の国、首都はエアリアル、精霊付きの彼らは魔法の力を使って暮らしている
精霊付きは額に精霊石を持ち、死ぬと火葬しても精霊石だけは残り、その精霊石を嵌め込んだ装飾は不思議な力を宿すという
野生のペガサスを稀に見かけることがある
宝石の発掘が盛んで、煌めく星々に負けぬ輝きを持つ石が売られている

不毛の大地で暮らす人間は飢えていた
耐えられなくなった人間は、豊かな森がある近隣のエルフの国を侵攻し占領した
エルフは呪歌を歌って聞いた相手を殺せるが、その代償に死を賜る
かといって、敵を阻む呪歌だけでは圧倒的な物理的人数を誇る人間を阻み切れなかった
人間はどんどんエルフの国に侵攻し、とうとう首都アリオスまで至った
エルフの王は決断を迫られていた
慈悲深いエルフの王妃は死にゆく同胞を見るに耐えかね、とうとう護衛を連れて戦禍の最中、和解を望み交渉しに行った
しかし、勢いに火の付いた人間はエルフの国の全土を我が物にしようとしており、彼女の声に耳も貸さなかった
それどころか、惨く殺して首を還した
エルフの王の怒りと憎しみ、そして嘆きは凄まじく、とうとう禁じられた呪歌を歌い、オリフィス全土のヒトを亡き者にしようとした
巻き添えを食らった魔族は堪ったものではない
民を助けるため、首都エアリアルにて貴族アーデルハイドは火の最高魔法を発動した
雨でも消えぬ炎はエルフの国の森を焼き尽くし、エルフたちを根絶やしにした
しかし、肝心のエルフの王には炎は届かなかった
禁じられた呪歌を詠唱中の者には詠唱後死を約束される代わりに、詠唱中は如何なる事があっても死を賜らないのであった
人間も魔族も、最早この恐ろしくも美しい歌声を止める術は無かった
エルフの王の歌がオリフィス全土に響き渡る
いつしか、歌声が止んだ――
そして誰もいなくなった
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2017.08.26 15:04 | 詠 -text- | トラックバック(-) | コメント(0) |
図体がデカく、目付きが悪い、古賀啓和は喧嘩をフッかけられてばかりの毎日
ある日、集団で暴行され気を失いかけていたところに救世主・神城莉音が現れる
莉音は男どもを圧倒的な力で一蹴する
集団は逃げ去り、二人きりになる啓和と莉音
莉音は啓和に肩を貸し、病院へ連れて行く
黙って啓和の側にいる莉音
そんな莉音を啓和は好きになる――が、両親が迎えに来ると莉音はさっさと帰ってしまう
連絡先も交換せずに離れ離れになる二人
啓和は未練がましく毎日莉音の姿を夢見る
ある日、バイト先のカフェで客として莉音が来店する
あの時のヘナチョコ、と言われショックを受けるも覚えていて貰えて嬉しい啓和
付き合って下さい!と告白するも弱い男は嫌と言われ玉砕する
それでも諦め切れず、莉音のストーカーと化す
そして、莉音に好きな人がいることに気付く
品行方正で上品な優男だった
ある日、莉音は優男が友人に「お前、莉音って子に好かれてるよな」とからかわれている場面に遭遇する
優男は「やめろよ、ありえないから。俺は守ってあげたくなるような子が好きなの」と答える
それを聞いてしまった莉音はダッシュで逃げてしまう
バイト帰りの啓和は帰り道の公園で莉音を見つける
莉音は泣いていた
どうしたのかと聞くと、莉音は優男が言っていたことを話す
啓和は怒り心頭
俺なら…俺なら逆に莉音ちゃんに守ってもらいたい!と叫ぶ
何それ、意味わかんない…しかもダサっ、と冷たく返される
それに!と続ける啓和
莉音ちゃんは強いけど、心は乙女でか弱いと思う
俺は守られたいし、守ってあげたい女の子だと思うと告げる
そういうわけで!とさらに続ける啓和
「俺は莉音ちゃんが好きです!どんな莉音ちゃんも好きです!付き合って下さい!」
「……バカじゃないの」
ガーンとショックを受ける啓和
フラれた…としょぼくれモード
「あんた見てると、なんか悩んでるのがバカらしくなってきた」
…いいよ、付き合ってもと言う莉音
えっ?!と驚く啓和
聞き返したら無し、と冷たい莉音
付き合います!よろしくお願いします!!と叫ぶ啓和
耳がキーンとする莉音
啓和は、俺、莉音ちゃんを守れるように強くなるからと誓う
「…早く私より強くなってね」
「それは無理です(即答)」
ボコっ
痛いー!と涙目の啓和
「しょうがないから、強くなるまで、私が守ってあげる」
莉音の笑顔にときめく啓和
古賀啓和、今人生で最高に幸せです――
2017.08.24 17:56 | 詠 -text- | トラックバック(-) | コメント(0) |
綺流藍里(きりゅうあいり)は剣豪・綺流家の一人娘
生まれてこの方外に出ることなく、家の中で箱入り娘として育った
或る日、藩主から綺流家は戦に出陣するよう御触れが言い渡される
其れを拒否した綺流家は、逆族として一族掃滅となる
家長の計らいでなんとか一人逃げ出した藍里だったが、何処へ行く宛もなくただ走った
季節は冬、雪の中山奥の小屋に辿り着いたが、其処で力尽きて眠ってしまう
忍の架蛇(かい)が現れ、此処は俺の隠れ家だと言う
藍里を気に入った架蛇は、抜け忍となり二人で暮らす道を選ぶ
名前を紅と藍に改めた
二人で簪屋を営み平穏に暮らす日々が続いた
しかし、別れは突然訪れる
或る日、家に帰ると血塗れで事切れた紅が倒れている
藍は必死に紅の名前を呼ぶが、時既に遅し
泣き叫ぶ藍
突如その背後に音もなく男が現れ、お前が藍かと問う
其の男こそが紅を殺した張本人、忍の里から来た刺客、颯(はやて)だった――

颯は忍の里に藍を連れ帰った
藍を始末するか如何か話し合う忍たち
颯が俺が引き取ると言い出す
そして二人暮らす日々が始まる
何度も逃げ出そうとする藍と、其れを容易く阻止する颯
藍は紅を殺した颯が許せない
颯はそんな藍を、好きだから夫婦になってくれと抱き締める
拒絶する藍、だが段々と颯の優しさに絆されていく――
そんな時、颯の許嫁で忍の長の一人娘・萌黄(もえぎ)が現れ、影で藍をいびる
傷付く藍
忍の長は、颯に萌黄と結納し、藍を他の男の嫁にするよう言う
断る颯、里を抜けることを決意する
藍を連れて里を抜けるも、忍たちに囲まれ退路がなくなる
このまま二人離れ離れになるくらいならと、崖から川に飛び込む藍と颯
来世では幸せになろうと約束して――


×


綺流藍里は父親の綺流架蛇と二人暮らしで、高校に入学したばかりの新入生で剣道部
或る日、廊下ですれ違った先輩・一颯(にのまえはやて)に突然抱き締められ、結婚しようと迫られて――?!

颯に抱き締められると前世の記憶が戻る藍里
紅が颯に殺されるところまで思い出した藍里は、颯を強く拒絶する
それでもめげない颯、執拗に藍里に関わろうとする
颯のことが好きな先輩・村野萌黄(むらのもえぎ)は其れが面白くない
知り合いの男子たちに藍里を襲わせる
襲われた藍里
竹刀で男子を一掃して事無きを得るが、後日多人数で復讐される
多勢に無勢で四苦八苦する
とうとう追い詰められるも、颯が現れ男子をフルボッコにする
二度と俺の藍里に近づくな――ドスの利いた声に男子たちは散り散りになって逃げる
打って変わって、藍里を優しく心配する颯
糸が切れたように泣き出す藍里、抱き締める颯、記憶が蘇る――

お互い愛し合い、心中したところまで思い出した藍里
其れでも紅を殺した颯を完全に受け入れることができない
颯は一緒に架蛇に会いに行こうと提案する
一緒に家にいる架蛇に会いに行く二人
架蛇は颯という恋人ができたことを心底嬉しそうに祝福する
前世の因縁などなさそうに見えた架蛇と颯だが、実は架蛇は前世の記憶を覚えていた
しかし其の上で二人の仲を認めた
娘さんをくださいと言い出す颯、まだやらん俺のだという架蛇
いえ俺の、俺のだを繰り返す二人をアワアワしながら見守る藍里
今世では絶対に幸せにしろよという架蛇
今世どころか来世でもしますよと返す颯

手を繋いで仲良さげに二人で登校する藍里と颯
颯は、これからは過去でなく未来の俺たちをみせるからと約束する
嬉しそうな藍里
終わり
2017.08.22 14:36 | 詠 -text- | トラックバック(-) | コメント(0) |
この一球に全てを込める
もし叶うなら
僕はこのゲームの勝者でありたい

掌から放たれるこの一球に
無我無心に願う
誰一人触れてくれるなと

心地よい静寂
ペラリ捲る点数は一つ
たかが一つされど一つ

ラストシーン
託したこの一球が叩きつける音
ただそれのみが響く

僕は勝利する
2017.07.25 17:57 | 君 -poem- | トラックバック(-) | コメント(0) |
澄み渡る空色の双眸
その瞳に七色の虹を架けましょう
夜には星を瞬かせましょう
透明度の高い彩光
力強く点滅する命

響き渡る金色の歌声
その唇に七色の魔法をかけましょう
辺り一面に花を咲かせましょう
不可思議な音色
吹雪く儚い一片(ひとひら)
2017.07.08 17:46 | 詩 -poem- | トラックバック(-) | コメント(0) |